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  • 多言語社会・言語政策

公共日本語教育学

社会をつくる日本語教育

川上郁雄[編]
定価
2,640円(2,400円+税)
ISBN
978-4-87424-733-4 C3081
発売日
2017/5/29
判型
A5
ページ数
264頁
重量
396g
ジャンル
日本語教育 ― 日本語教育専門書
オンライン書店
amazon.co.jp 楽天ブックス

本書の主張する「公共日本語教育学」とは、「人とことばと社会を視点に私たちがどのような社会を築こうとするのかを日本語教育を通じて探究していく実践の学」の総称です。
これまでの日本語教育を「公共日本語教育学」として捉え直す議論はまだ緒についたばかりです。しかし、これからの社会に必要な日本語教育の社会的意義と貢献を考えるとき、「公共日本語教育学」をめぐる議論は不可欠でしょう。
(「序 なぜ「公共日本語教育学」の構築なのか」より)

追加情報

目次
序 なぜ「公共日本語教育学」の構築なのか(川上郁雄)

第1部 公共日本語教育学は可能か

第1章 公共日本語教育学の可能性―公共人類学の視角から(山下晋司)
    公共人類学と公共日本語教育学の接点(川上郁雄)

第2章 公共性と自由―「公共の福祉」をどう理解するか(齋藤純一)
    政治学的論点と公共日本語教育学(川上郁雄)

第3章 言語学習の公共性と私性(石黒広昭)
    学習/教育心理学から見た公共日本語教育学(舘岡洋子)

第4章 日本語教育は誰のためのものか?―自己実現のための日本語教育をめざして(イ・ヨンスク)
    誰のための日本語教育かという問いかけ(蒲谷 宏)

第5章 日本語教育の公共性を問う―過去・現在・未来(平高史也)
    社会を作る公共日本語教育学(小林ミナ)

第2部 実践から、公共日本語教育学を考える
    公共日本語教育学を、どのように考えるのか(川上郁雄)

第6章 学校現場から考える
 第1節 鈴鹿の子どもたちへの日本語教育(中川智子)
 第2節 目黒モデルの実践(人見美佳)
 第3節 高校生のための日本語カリキュラム開発(河上加苗)
    学校現場から公共日本語教育学を考える(川上郁雄)

第7章 歴史の中で考える
 第1節 当事者の語りから日本語教育の歴史を考える(田中祐輔)
 第2節 「かつての日本人」のことばを受け止める(佐藤貴仁)
 第3節 日本で生きていく中国帰国者の学びに寄り添う(齋藤 恵)
    歴史の中で公共日本語教育学を考える(池上摩希子)

第8章 教室空間から考える
 第1節 大学留学生のための日本語教育(小宮千鶴子)
 第2節 「教える/教えられる」関係を越える教室(池上摩希子・いじょんみ・小島佳子)
 第3節 自律学習支援から考える日本語教育の公共性(古屋憲章・千花子・孫雪嬌)
    教室空間から公共日本語教育学を考える(舘岡洋子)

第9章 ネットワークから考える
 第1節 インターネットを通じた日本語教育実践(毛利貴美)
 第2節 遠隔日本語教育の実践(尹 智鉉)
 第3節 グローバルMOOCsにおける世界初の日本語講座(戸田貴子)
    ネットワークから公共日本語教育学を考える(李 在鎬)

第10章 専門性から考える
 第1節 成熟した「ことばの使い手」になる(小林ミナ)
 第2節 海外の現場で「公共性」を担う(福島青史)
 第3節 「自立した書き手」を育てる(太田裕子)
    専門性から公共日本語教育学を考える(小林ミナ)

第3部 公共日本語教育学の構築へ向けて

第11章 日本語教育学における「公共性」を考える(蒲谷 宏)

第12章 公共日本語教育学の地平(川上郁雄)

あとがき 新たな日本語教育学の構築をめざして(川上郁雄)
著者紹介
川上郁雄(かわかみ・いくお)早稲田大学大学院日本語教育研究科。編者。第1章コメント、第6章解説、第12章。
い じょんみ(い・じょんみ)新宿虹の会。第8章第2節。
イ・ヨンスク(い・よんすく)一橋大学大学院言語社会研究科。第4章講演者。
池上摩希子(いけがみ・まきこ)早稲田大学大学院日本語教育研究科。第7章解説、第8章第2節。
石黒広昭(いしぐろ・ひろあき)立教大学文学部教育学科/文学研究科。第3章講演者。
太田裕子(おおた・ゆうこ)早稲田大学グローバルエデュケーションセンター。第10章第3節。
蒲谷 宏(かばや・ひろし)早稲田大学大学院日本語教育研究科。第4章コメント、第11章。
河上加苗(かわかみ・かなえ)早稲田大学大学院日本語教育研究科博士後期課程。第6章第3節。
小島佳子(こじま・けいこ)神奈川県立国際言語文化アカデミア。第8章第2節。
小林ミナ(こばやし・みな)早稲田大学大学院日本語教育研究科。第5章コメント、第10章解説、第10章第1節。
小宮千鶴子(こみや・ちづこ)早稲田大学大学院日本語教育研究科。第8章第1節。
齋藤純一(さいとう・じゅんいち)早稲田大学政治経済学術院。第2章講演者。
齋藤 恵(さいとう・めぐみ)早稲田大学グローバルエデュケーションセンター。第7章第3節。
佐藤貴仁(さとう・たかひと)慶應義塾大学総合政策学部。第7章第2節。
千 花子(せん・はなこ)早稲田大学大学院日本語教育研究科博士後期課程。第8章第3節。
孫 雪嬌(そん・せつきょう)早稲田大学大学院日本語教育研究科博士後期課程。第8章第3節。
舘岡洋子(たておか・ようこ)早稲田大学大学院日本語教育研究科。第3章コメント、第8章解説。
田中祐輔(たなか・ゆうすけ)東洋大学国際教育センター。第7章第1節。
戸田貴子(とだ・たかこ)早稲田大学大学院日本語教育研究科。第9章第3節。
中川智子(なかがわ・ともこ)鈴鹿市立河曲小学校。第6章第1節。
人見美佳(ひとみ・みか)目黒区教育委員会。第6章第2節。
平高史也(ひらたか・ふみや)慶應義塾大学総合政策学部。第5章講演者。
福島青史(ふくしま・せいじ)国際交流基金サンパウロ日本文化センター。第10章第2節。
古屋憲章(ふるや・のりあき)早稲田大学大学院日本語教育研究科博士後期課程。第8章第3節。
毛利貴美(もうり・たかみ)早稲田大学日本語教育研究センター。第9章第1節。
山下晋司(やました・しんじ)帝京平成大学現代ライフ学部/東京大学名誉教授。第1章講演者。
尹 智鉉(ゆん・じひょん)早稲田大学日本語教育研究センター。第9章第2節。
李 在鎬(り・じぇほ)早稲田大学大学院日本語教育研究科。第9章解説。